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栄養改善事業~最終年度を迎えて~

栄養改善事業~最終年度を迎えて~
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DAREDEMO HEROでは、2022年から3年間、 味の素ファンデーション様の助成を受け、フィリピン人の食に関する実態調査及び、栄養改善を実施しています。

▶これまでの活動は「こちら」をご確認ください。

2年間で起きた変化

これまで300世帯の貧困層を対象に、聞取り調査及び食事調査を行ってきました。当初の調査結果は、貧困層の現状を知っていた私たちですら驚くような内容で、栄養バランスという概念から大きく外れたものでした。その状態からどのように栄養改善ができるか、この2年間、日比の専門家と協議を重ねてきました。

調査結果や分析結果に沿って、毎月セミナーを開催していく中で、住民の意識の変化が目に見えるようになってきました。

変わったのは受益者の意識だけではありません。当事業では、調査対象の300世帯だけを対象にするのではなく、広く3つのバランガイ(最小自治区)の住民に栄養の知識を普及したいと考えています。そのためには、各地域の栄養指導員や保健員の指導も行っています。

初年度は事業の重要性を十分に理解していなかった彼らも、2年目には専門家から栄養の知識を得ようと、積極的に参加してくれました。

2年目に浮き彫りになった問題~塩分過多~

これまでの調査結果から様々な問題が見えてきましたが、その中でも一番顕著な問題が塩分の取りすぎです。フィリピンでは高血圧は死因の6位にランクされており、非常に一般的な病気となっています。その主な原因が塩分の取りすぎです。しかし、フィリピンでは「減塩」などの意識はなく、少ない予算でたくさんのお米を食べてお腹をいっぱいにさせるために、しょっぱい食べ物やスープが良く食べられています。

そこで、2年目の地域に向けたセミナーでは約1,000世帯を対象に、塩分の取りすぎがもたらす健康被害と、具体的な減塩方法を伝えました。参加者のほとんどが、塩分の取りすぎが身体に悪いということも、適切な1日の塩分量も理解しておらず、真剣にセミナーを受けていました。

セミナーで配布したオリジナルの資料

学んだことを活かして社会に貢献

当事業では、広島修道大学の健康栄養学科、及び英語英文学科、さらにセブ医科大学の栄養学科の学生が参加しています。それぞれが大学で学んだことを活かし、貧困層の栄養改善に取り組んでくれています。

自分の学んでいることで、どのように人を幸せにできるのか、社会を良くできるのかを学生時代に体感し、その喜びを知ってもらいたいと思っています。

最終年度を迎えて

最終年度となる今年も、過去2年同様、聞き取り調査と食事調査から始めます。2年間の事業を通じて、どれだけ住民の意識と、実際の食事に変化が起きたのかを調査したうえで、最終的な実現可能・継続可能な栄養改善方法を打ち出していきます。

貧困層の実情に合わない理想論だけを押し付けても、実現も継続もできません。事業終了後も住民が主体となって栄養改善を継続できるように、各地域の栄養指導員や保健員と共に啓もう活動を続けていきます。

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