DAREDEMO HEROでは大学のスタディーツアーの受け入れも行っています。10名の大学生が、「真のボランティア」についてどんなことを真剣に考えたのでしょうか。
参加者の体験談をご紹介します
水元泰貴
ボランティアとは…
セブに来る前に、真のボランティアとは何かということを考えてから6日間の活動に臨もうと思っていました。しかし、その時点でボランティアとは?と聞かれてもよくわからず、ただただ物資を与えること、おり紙を折ることがボランティアではないんだろうなあ、というふわっとした考えで活動初日を迎えました。
最初のHIROさんの講演で、ボランティアとは何かという答えのヒントが見つかりました。それは、支援=変化ということです。「ボランティアをしても貧困の人たちの生活や身だしなみに対して目に見える変化がなければボランティアとは言えないのだな」という一つの答えが出ました。しかし、ここで一つの疑問が出てきました。貧困の人たちにけん玉を教えたり、おり紙を一緒に折ったりする意味ってなんだろうということです。この疑問を抱えながら、事前に準備をしていたアクティビティを行いました。ですが、この活動は支援になっていないなという気持ちがあり、どこか本気でやれていない自分がいました。
それから、フィリピンのセブ島でゴミ山に住む人や豊かに住む人たちを見て貧困の状況を知りました。その間にもめまぐるしく感情や考えが変わっていましたが、現地スタッフさんのアドバイスにより、活動を通して何かを伝えることが大事ということを学びました。この言葉でけん玉を教えるにしても、その背景になにか伝えたい事や目的があれば良い活動になるという事が分かりました。この事は今後何をやるにしても明確な目的を持てば意味のある有意義なものにつながると思います。
食事やそうじ等をすべて自分たちでやることや、各活動の組み方等によって、ボランティアや貧困について考えるには最高の環境だと感じました。この貴重な経験をなんらかの形に残して、10年後、20年後の自分で振り返りたいと思います。また、人の温かさが溢れるこのフィリピンに戻ってきたいです。
今回、ボランティアについて考える機会をつくってくださった家族とスタッフの方々に感謝します。
原野俊吾
僕たちが伝えたかったこと
今回のスタディーツアーで一番感じたことはどんな事でも目的を持って行動すれば、子供達に何かが伝わり、少しでも楽しんでもらえるという事です。
2日目のHIROさんの講演を聞いた時は正直、何かフィリピンの子供たちのためにできることがあるのか、何もできないんじゃないかと思いました。その後に行った事前に用意していたアクティビティでも、楽しんでくれて成功したとは思った反面、ボランティアとして子供達のためになったのかは疑問でした。
4日目CICCでゴミ拾いをした時に、自分達が最初に伝えたかった事がきちんと伝わっているかは分からなかったけれど、子供達が楽しそうにゴミを集め、きれいにするということを学んでくれたのではないのかと思います。その後の買い物体験では自分たちの伝えたかった、「努力をすれば報われる」ということと「自分の買える範囲の中から好きなものを選んで買う」ということは子供達の様子を見て、伝わっていると感じたのでとても良かったです。
最終日の将棋では、2日目とは違い、子供達の中で将棋に興味を持ってくれる子とそうでない子がいて、その点は難しく感じました。
この6日間、スタッフや色々な人のサポートのおかげで自分たちのやりたい事ができたと思います。ありがとうございました。
自分はこの6日間をセブで過ごして、またセブとどのような形でもいいから関わりたいと思いました。実際に現地に足を運ばなければ何も始まらないと強く感じました。
6日間お世話になりました。
松石朋大
一瞬を大切にすること
自分は今回の活動で、2日目の活動日に自分は一度帰国しようと思いました。なぜなら、2日目に見た2つの光景が自分に大きな衝撃を与えたからです。
1つ目はゴミ山で暮らす少年たちの光景です。裸足でゴミ山を登る子どもたちを見て自分は涙が止まりませんでした。今まで、自分は少しの汚いことに敏感に反応したりしていました。そんな今までの自分が恥ずかしくなりました。帰りのバスに向かって大きな声を出しながら手を振る子どもたちに、自分は手を振り返すことすらできませんでした。自分のこの手では、彼らを助けることすらできない、そんな現実を目の当たりにして、僕は自分を責めました。
2つ目は、マーケットで見た母親です。買い物をしている僕たちに対して、しつこくついてきて、お金を要求してきました。彼女は子供を抱えながら町をさまよっていました。そんな風に、人の情にすがって、1日でも多く生きようとする姿を、自分と重ねた時、彼女よりは明らかに簡単に生きているのに、毎日くだらないことに悩んでいる自分はいったい何のために生きているのかがわからなくなってしまいました。
このボランティア活動に僕が参加した理由は、自分の夢のためです。自分は将来、今まで自分の人生において大きく関わってきたゲームを使って、世界中の人々をつなげたいと考えていました。そのために、世界を見に行こうと思い参加しました。しかし、先述した2つの理由から、自分は世界の現状すら棚に上げて、自分の夢を叶えようとしていました。そんな世界の現状から目をそらす自分に、子どもたちをつなげことができるのかを考えようとしたときに自分にはその資格はないのではないかと考えました。この文章の中でも、自分のことばかり書いて、ほかのことを考えることもできません。この活動に参加している他の人は、何ができるのかと活発に考えている中で、自分だけ取り残されているように感じました。生半可な気持ちで活動に参加したこと、きれいごとの夢をペラペラと口にしていたこと、すべてが甘かったです。
フィリピンの人たちは1日1日を大切に生きています。「今」、「この時間」、「この瞬間」1つ1つを大切にしています。自分は、過去を引きずったり、未来に不安を抱えたり、叶わない夢を望んだりしていました。しかし、フィリピンの人々を見て、大切なのは、その夢のために「今日」「今」何ができるかを考えることだということに気づきました。生きることに一生懸命なゴミ山の子どもたちや、小銭を欲して生きる母親と同じように、自分もがむしゃらに、一瞬を大切にしようと思いました。そうすることが、僕たちのできる「支援」ではないかと思います。自分と同じ時間を生きている僕らと共に、目的は違えど、この一瞬を大切にすることは、僕がボランティアに来た意味ではないのかと思いました。
石田青矢
笑顔を届け、共に笑った6日間
私はこのボランティアに参加してよかったなと思います。なぜなら貧困で苦しんでいる子供達の笑顔を見ることができたからです。私はこのボランティアを行う前は「コミュニケーションの疎通がうまくいくのか?」またボランティアに対して深く考えてこなかったので、初日の講義を受けて、真のボランティアとは何か?ということを感じました。そして、今までの自分が考えていたボランティアに対しての内容の薄さに恥ずかしさや悔しさを感じました。
DAREDEMO KIDSとのレクリエーションや昼食を共にしているうちに「子供たちを楽しませたい」「子供たちの笑顔が見たい」という思いが生まれました。また、リアルな貧困を目にしたことから、自分がいかに今回のボランティアに対して甘い考えで参加したのかということが浮き彫りになり自分に怒りを感じました。
その後のシティーツアーではセブ島の様々な貧困地区に足をはこび、そのたびに衝撃を受けました。特にゴミ山を訪れた時は、ただただ圧倒され、またなぜゴミ山が生まれてしまったのかという理由を知った時は、貧困という問題の大きさに頭が混乱しました。そこには、労力・賃金・技術という3つの大きな壁が存在しており、その問題が今のフィリピンの貧困の現状を生みだしているのではないかと思いますこの3つの壁は大きいものの、何か僕たちにもフィリピンの貧困問題に向き合って、力になりたいと思いました。そして、力になりたいというのが子供達に貧困問題解決となるヒントを踏まえたごみの回収運動でした。結果は大成功で、子どもたちは学ぶことができたのではないかと感じます。
今回のスタディーツアーで、たくさんの発見や感動などを得ることができました。その中でも最終的に僕の今回のボランティアで行いたかったことは子どもたちに笑顔をとどけることであり、共に笑うことでした。笑っている子供達の顔を見てたくさんの勇気をもらうことができました。6日間ありがとうございました。
植田真帆
改めて考えたボランティア
今回のボランティアを通し、実際に見て、聞いて、現地の状況を知ることによって、分かることが多くあることを学びました。特にオリジナルプランの計画のときに、それを実感することができたと思います。
実際に貧困地域で生活する人たちを見て、スタッフの方や、そこで生活する人たちに話を聞いて、今の私たちにできることは何だろうと考えました。そして、子供たちがまだ経験したことのないことを計画しました。仲間たちと、この計画の目的は何なのかをはっきりさせることで、進む方向性を明確にして共有することができ、さらに工夫されたものへと進化させました。
私は、いろいろな村、集落を見ていく中で、「ほとんどの子供たちが笑顔でいること」さらに「自分たちが苦しいのは分かっている、その中で幸せに暮らすために」という考え方にとてもおどろくと同時に感動しました。そのような考え方もあるんだと思ったからです。私だったら、「何で私だけ」と絶対にねたみの感情を表へ出してしまい、笑顔になれないです。そんな笑顔を守りたい!それが私の中で今回の活動の1番の目的、目標となっていたと今を振り返えると思います。そして、6日間でこの目標に近づけたと思います。
この目標のために、計画したものが実行できたのはたくさんフォローをしてくださった先生、スタッフのみなさまがいたからです。本当に感謝しています。ありがとうございます。
今回のツアーを通し、“ボランティア”について改めて考え直すいい機会となりました。まだ答えは出ていませんが、これから先、答えを出せるように生活をしていきたいと思います。
淺沼那奈
たくさん学んだ6日間
始めはただ「フィリピンへ行く」という単純な考えしか持っておらず、ボランティアや現地での活動についてはほとんど何も考えていませんでした。
そんな私ですが、現地での子供たちと交流し、彼らの住む場所をこの目で見て、その環境に強い衝撃を受けました。周辺に散乱したゴミ、そして不衛生な生活のための悪臭、そしてそんな場所の近くになぜかある高級住宅または高級リゾートホテルといった富裕層と貧困層との壁の厚さを感じさせるものの存在。それにもかかわらず、自分たちの生活の中で1日1日を全力で生き、その中で楽しみを見出している彼らの姿は、日本では見られない力強さを感じました。
現地の子たちとも交流では、私たちが用意した企画をとても楽しんでもらうことができました。それだけでなく、私の動作や表情の変化1つ1つに笑顔を返してきてくれて、こちらまで、楽しい気持ちにさせてくれました。お互いが笑顔になることが、真の意味での交流なのではないかと思います。
草が生い茂る程大量のゴミ山、十分な衣食住の欠如、実行に移されないこれらの問題の解決策、山積みとなった深刻な問題に対して、私たちにできることなどないのではないかと思わされることも何度もありましたが、今回の活動で触れ合った人々に、私たちと共に行ったことを時々思い出してもらえれば、私たちのやったことは、彼らの将来の力になるかもしれないと思います。そしてこれまでの活動で、私たち自身も色々なことを教えてもらう立場にあったことに気づきました。この体験を通して、私たちは周囲の人々よりも1歩先へ進んだと思っています。この学びを自分自身のこれからの糧にしたいと思います。ありがとうございました。
富田励椰
人生の見解が変わった6日間
まずこのボランティアに参加して本当に良かった。ボランティアに少し興味があり、参加したら何か変わる事があると思って参加した。2日目からボランティアについて深く考えるようになった。代表の話、火災後の貧困地区への訪問。この2つの出来事が一番自分にとって初めての経験であり、衝撃的であった。その日からボランティアって一体なんだろう。何をしたらボランティア?などということがなかなか頭から離れなかった。普段考えることをしなかった自分が深く考えるようになった。結果はうまくまとめられなかったけれど、貧困地区の人々の記憶に私達が行動した事が残ってくれれば、それはすでにボランティアの一部になっているのではないかと私は思った。また今回のツアーで行ったアクティビティは全員が一致団結して行ったからうまくいったので、みんなで力を合わせる事で最高のものが作れるという事を改めて確信する事ができた。
ゴミ処理技術も、フィリピンが優れていないのではなくフィリピンに住めばこの現状が普通であるので、自分にとって、いたって普通だと思っていた日本の技術などが優れているという事も改めて分かった。この6日間で自分にとって人生の見解が変わる大きな出来事になったので本当に参加して良かった。
6日間ありがとうございました。
早坂成美
現状を知ることの大切さ
全体の活動を通して、スタディーツアーに参加する前は、私たちにできることは少なく、力になることはできるのだろうかと最初は思った。しかし、今回、参加したことによって、フィリピンの現状を知りつつ、オリジナルプランで子どもたちに目的である、文化をつたえることと、働き、お金でものを自由に選択し買うことができること、ゴミ分別をうまく、まとめて伝えられたかなと思います。反省点として、英語でうまく子どもたちに伝え、理解してもらうことができなかったことがあげられる。そのためにも英語力をより身につけていこうと思う。
日本に帰ったら、フィリピンの現状と真のボランティアとは何なのかについて知ってもらえるようにしていきたい。さらに、私たちにはなにができ、何をすべきなのかについて考える必要がある。まず、第一歩としてフィリピンの現状を知ってもらう。また、私はこのボランティアを通して貧困の人だけではなくすべての人が笑顔で暮らし続けられる世界をつくる!そのためにも、これから日本に帰国してから行う学習がとても重要になってくると思う。これからはこの活動を辛い時には思い出し、自分の当たり前を当たり前と思わずに、生きていきたい。
本当にこの6日間ありがとうございました。またフィリピンに来ます。
昆野佑哉
日本でのあたりまえは、あたりまえではない
6日間のボランティアに参加して、ジュンコさんが言っていた、「日本で当たり前なことがフィリピンでは当たり前ではない」という言葉が自分もとても共感できました。親がいること、三食しっかりご飯があること、温かい布団で寝れること、すべて、日本では当たり前で、不自由なことなんて一つもありません。フィリピンの貧困地区の人と出会って一日、一日をしっかり生きている。その生命力にとてもパワーをもらいました。
私は海外によく行きます。毎回、スキーなどの目的で行っていますが、今回のボランティアは自分から親に志願し、今までとは違う目的で参加しました。参加して、自分の中の考え方が大きく変わりました。もう一度フィリピンに戻って来たい、別の国でも経験してみたいと強く思えた、そんな活動でした。本当にありがとうございました!!
小野山絢音
貴重な経験をした6日間
この6日間で普通の観光客としてでは体験できなかったことがたくさん体験できて、楽ではなかったけど充実した期間を過ごすことができました。フィリピンの人々は金銭的には貧しくても、いつも笑っていて、こちらが救われる気持ちになりました。日本へかえってもこの体験は忘れることがないと思うし、自分の目で見たことを少しでも他の人々にシェアすれば、何も知らない人からの協力をあおることができるのではと思います。本当に貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。
活動を通して・・・
今回のスタディーツアーでの活動を通して、「目的をもって活動する」ということの大切さを学びました。目的もなく、ただただ活動することこそ、ボランティア活動の意味がわからなくなってしまいがちです。今後、ボランティアをするにおいて、目的をもって活動をすることを心がけてほしいと思います。
また、日本ではあたりまえと思っていたことがフィリピンではあたりまえではないという学びもありました。生きていく上で、当たり前のことは1つもないのだということを忘れないでほしいです。
参加者の皆さん、ありがとうございました!