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所得税から見るフィリピンの社会問題とは、、、?

所得税から見るフィリピンの社会問題とは、、、?
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フィリピン税金シリーズ第3弾!今回はフィリピンで働いている人なら誰にでも関係のある所得税を徹底解説!

フィリピンの所得税事情!

所得税とは個人の給与に対して課される税金です。フィリピンでは2018年の1月に税制度が新しくなり、所得税の制度も大幅に変化しました。

<改正前>
年間所得1万ペソ以下・・・税率5%
年間所得50万ペソ以上・・・税率32%
※旧法では最高税率の設定が年間所得50万ペソ以上となっていました。

<改正後>
年間所得25万ペソ以下・・・税率0%
年間所得25万ペソ以上・・・税率20%
年間所得800万ペソ以上・・・税率35%

この改革のおかげで、納税者の99%が減税になりました。超が付くほどのお金持ち以外には嬉しい税制改革となったのではないでしょうか?

またフィリピン人はもちろん、この国で働いている外国人も所得税を払わなくてはいけません。フィリピンでの年間滞在期間が180日を超える場合、所得税を納めなくてはならない決まりです。

フィリピンの平均年収とは?

では、フィリピンの平均年収はどのくらいなのでしょうか?2015年の調査によると平均年収は26万7千ペソです。しかしこれはあくまでも平均です。フィリピンは貧富の格差が大きな国です。ほんの少数の超大金持ちが平均をぐっと上げているので、この数値から現状を読み取ることはできません。

上位10%の年収は71万5千ペソ(135万3千円)で下位10%の年収は6万9千ペソ(13万円)です。10倍以上の格差があります。

セブ市内の高台には豪邸が立ち並ぶ超高級住宅地ビバリーヒルズがあります。

貧困層にとっての所得税とは?

当団体が支援しているDAREDEMO KIDSの家族の多くが月収8,000ペソ(16,700円)に満たない収入で生活しています。また、彼らの仕事はハバルハバル(バイクタクシー)のドライバーや家政婦など個人契約や非正規雇用がほとんどです。そのため、子どもたちの両親の多くは所得税を納める必要がありません。

子どもたちの両親の仕事についてはDAREDEMO KIDSのパパ・ママの仕事って?をご覧ください。

では、所得税を納める必要のない貧困層は、得をしているのでしょうか?
フィリピンでは会社側が被雇用者に適用しなければならない社会保障制度が大きく分けて3つあります

  • SSS・・・休業補償や妊娠時の補償等が保証される
  • Pag-Ibig・・・給料からの積立と住宅ローンを借りることができる
  • Philhealth・・・医療保障がうけられる

しかし、ほとんどが非正規雇用である貧困層は、これらの社会保障制度の恩恵を受けることができません。

一方で、貧困層へ向けた政府の社会保障制度もあります。それは、保険料を国と地方自治体で政府が、貧困と認めた非正規雇用者の代わりに負担するsponsored programという制度です。しかし、この制度が適応されるのは貧困層のなかでも、最も過酷な状況にある一部の人々であり、実際に保険を必要としている貧困層すべてが含まれるわけではありません。

HERO’S HOUSE 1の周りにも多くのハバルハバルドライバーさんがいます。

まとめ

納税が国民の義務として定着している日本と違い、フィリピンには納税すらできない貧困層がたくさんいます。そんな貧困層は、日本では国民皆が受けることのできる最低限の社会保障も受けることができません。

社会保障を本当に必要としている人々が、その恩恵を受けるためには、この国の制度そのものを根本的に変えなくてはいけません。そのためには貧しい人の気持ちと現状が分かるリーダー、つまり貧困層出身のリーダーが必要なのです。

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