6月23日の夜にフィリピン政府はあることを発表しました。それによりセブ市で暮らす人々は混乱に陥りました。今、子どもたちが暮らすセブ市で何が起きているのでしょうか。
外出許可証の廃止
6月23日の夜にフィリピン政府は「全ての外出許可証を廃止する」と発表しました。3月末にセブ市でロックダウンが開始され、1家族に1枚「外出許可証」が発行されました。そしてこの外出許可証を持つ人だけが、生活に必要な物を買う為に外出をすることが許されていました。
逆に言えば、「外出許可証を持たない人は外出を許されない」ということになります。
そして、今回の「外出許可証を廃止する」という政府の発表は「誰も外出するな」という意味を持ちます。
何故、このような対応が取られたのでしょうか。今後セブ市でどのような取り組みが行われるのでしょうか。
首都から派遣された人々
この発表があった当日、マニラからセブ市に数人の政府役員が派遣されました。彼らが来た理由は「セブ市での新型コロナウィルス感染症の状況の確認と対処」です。セブ市では連日、新規感染者が発表されており、この状況に対処するために政府役員がマニラから派遣されました。
そして、その派遣された人々の中の1人にドゥテルテ大統領はある権限を与えました。
その権限が「必要とあらば、軍を派遣することを認める」というものです。(参照元はこちら)
フィリピン政府はセブ市で増え続ける感染者数を抑えるため動き出しました。
外出許可証の廃止の意図は「一度、前からあった制度を廃止し、新たな制度を作りだす」というものです。それでは、今後どのような制度が導入されていくのでしょうか。
規制を厳しく、管理の徹底
現在、発表されていることは「新たな外出許可証を発行する」ということです。しかし、その新しい外出許可証は「自分たちが住むバランガイ(最小自治区)の中だけで有効になるもの」というルールになります。
以前までは、外出許可証を持っていれば、セブ市内を動くことができました。しかし、今回の新ルールにより人々はセブ市の中でさえ、移動できることができなくなりました。
例外として、チェックポイントで働く人々などのフロントライナー、メディアはセブ市内を移動できると発表されています。
現在、各バランガイは、新しい外出許可証の発行作業を行っています。また、各バランガイでそれぞれに規制ルールも設けると発表されています。
また、マニラから派遣された人々は「規則を守らない人を収容する場所として体育館を使う」「病院のベッドの数を増やす」「医療従事者の数を増やす」と多くの発表を行っています。(参照元はこちら)
焦りと不安を抱える人々
今回の発表は急なものであり、人々は新しい規制に向けて、生活に必要なものを備蓄しなければなりません。その為、朝から多くの人々がスーパーマーケットに並びました。
また今後、市をまたいだ移動ができなくなります。それに備えて市外に避難する人や、仕事のために市外に出ていた人たちが帰宅できるように2日間の移動期間、準備期間を設けました。その為移動が必要な人々が早朝から動き出し、チェックポイント(検閲場所)付近は長蛇の列となっています。
急変する状況に人々は不安と恐怖に陥っています。
新しい体制は26日からスタートします。当団体としては、新しい体制下でもこれまでの支援活動が継続できるよう、準備を進めています。
新しい情報が入り次第、ご報告させていただきます。